チベット高原に根ざしたエルメスお墨付きの高級テキスタイルメーカー

2007年にKIM YESHIとDECHEN YESHI親子によって設立された「Norlha（ノラ）」。チベットの洗練された文化の発信と環境維持を理念に掲げ、チベット高原にアトリエを構え、現地のスタッフと職人を雇用、育成し、現地に根付いた伝統的な技術に基づき、世界で最も上質なヤクの毛を使用した製品を生み出している世界でも類を見ない高級テキスタイルメーカーです。

標高3,000メートル以上の高地という限られた動物しか生息できない厳しい環境のなかで生きるヤク。ノラの製品には、その中でも特に標高の高い地域で育った世界最高のヤクの毛が使用されています。生え変わりの際にヤクの内側から抜け落ちる毛は、細くてやわらかいことから“ダウン”と呼ばれます。1頭のヤクから100グラムしか取れないこのダウンは、カシミヤに匹敵する希少価値があるとされ、その毛で作られた製品は、エルメスやセリーヌ、ランバンなど、世界中の名立たるビッグメゾンからラブコールを受けており、ラグジュアリーマーケットで確固たる地位を確立しています。特にエルメスでは、ストールのみならずシーズンショットで使われている商品（ウェアや小物など）すべてノラが手掛けています。エルメスお墨付きのノラの製品は、名実ともに世界最高峰と言えます。

大自然の恵みが凝縮された大判ストール「Nomad Nets Windowpane」

ご紹介するのは、さりげない英国柄が目を惹く「Nomad Nets Windowpane」になります。最高品質のヤクウールを紡いだ中番手糸をざっくり織り上げた程よく厚手の平織物（ガーゼ）で作られたストールは、唯一無二の存在感があり、独特なヌメリのある肌触りとナチュラルな風合いを存分に楽しむことができます。身に付けた瞬間、化学繊維とは違う心地よい温もりに包み込まれます。

横幅約70センチの大判サイズですが、ふんわりエアリーな質感なのでボリュームの調整がしやすく様々なアレンジを楽しめることがポイント。マフラーのようにシングルループ巻きにしてもいいですし、結び目を作らず首にぐるっと巻きつけても、肩からさっと羽織ってもお洒落に決まります。アレンジ自在なので自分流のお洒落をめいっぱい楽しんで頂けます。シックなカラーリングなのでオンオフ兼用も可能です。ユニセックスアイテムなのでプレゼントにも喜ばれると思います。

少し話が逸れますが、このストールの“端”を観察するといかに丁寧に作られているか分かります。Johnstons（ジョンストンズ）に代表される高級ストールでさえ、ロールになった生地を機械で裁断して作られています。このためストールの端の糸がバラけています。（※これはどうしようもないことなので決して否定するわけではありません。）これに対してノラのストールは、時間と手間を惜しまず、一枚一枚、職人が手織り機を使って生産しています。このため、ストールの端がきれいに整っています。現地チベットの熟練職人によって生み出されるノラのストールは、今では珍しい“100%ハンドメイド”です。

エルメス、セリーヌ、ランバンなど、世界中の名立たるビッグメゾンを虜にしているノラですが、驚くべきはどのメゾンでも“ノラの製品をそのまま自社製品として展開していること”にあります。つまり、品質はもとよりデザイン（ファッション性）までもが認められているということです。特にエルメスの場合、これは非常に稀なケースです。ビッグメゾンとまったく同じ品質とデザインの製品を何分の一というお買い得な価格で手に入れることができる。これを見逃す手はないと思います。

“空にもっとも近い繊維”と言われるYAK（ヤクウール）とは！？

ヤクは、標高3,000～6,000メートルの草原、ツンドラ、岩場などに生息するウシ科の動物のことです。2,000年前に家畜化され、その毛や肉はチベットの人々の生活の一部として利用されてきました。1964年には生息数が約3,000頭まで減少しますが、中国政府の法的保護の下、現在では約14万頭まで回復しています。そのほとんどがノラのアトリエがあるチベット高原で放牧されています。

昼夜の寒暖差が30度にもなる過酷な土地に暮らすヤクは、寒さから身を守るため外側が硬い毛で覆われ、その内側に細くてやわらかい毛が生えています。この内側のやわらかい毛は“ダウン”と呼ばれます。保温性はウールより30%高く、カシミヤと同等かそれ以上です。また、通気性はカシミヤより130％高く、暖かいのに熱がこもって蒸れることはありません。ノラでは動物愛護の観点から、生え変わりの際に内側から抜け落ちる毛のみを使用しています。この毛は1頭のヤクから100グラムしか取れず、カシミヤに匹敵する希少価値があるとされます。ヤクの毛の繊維の太さは平均14～20ミクロン。一般的なウールが20ミクロン以上であることを考えるとその細さが分かります。この細い毛がしっとりとした滑らかな肌触りと気品のある光沢感を生みます。軽く、暖かく、通気性がよく、美しく滑らかな肌触りで、弾力性に富みシワになりにくいヤクの毛は、まさに大自然の恵みと言えます。

素肌が喜ぶ、エアリーな質感でヌメリのある肌触りの手織りガーゼ

使用されている生地は、世界最高のヤクの毛（ダウン）を紡いだ中番手糸を用い、手間と時間をかけて熟練職人がじっくり織り上げた“手織りガーゼ（程よい厚みのある平織物）”になります。通常のガーゼと違って原料がたっぷり使用されていますが、細心の注意を払って厚みが調整されているので巻いたときにボリュームが出過ぎることはありません。ふんわりやわらかくエアリーな質感なので自分好みのボリュームに調整できます。言うまでもなく肌触りは極上です。繊細に起毛していてまるでカシミヤのように滑らかで、濡れているようにしっとりしているので敏感肌の方でも安心です。不快なチクチクは皆無です。また、軽くて暖かいのに通気性に優れているので熱がこもって蒸れる心配もありません。ヤクの繊維は細いのに強靭なので、カシミヤよりも扱いやすく長持ちすることも魅力です。